京都周辺気まぐれ風景

京都在住。地の利をいかして神社仏閣によく撮影に出かけます。

ニコン1の発表を見て思うこと


私はニコンが好きである。SONYαが好きなのとはちょっと違う事情で。
生まれて初めてカメラを手にしたのは、父親からもらった1957年製ニコンS2だった。父が、このレンジファインダー機から一眼レフであるニコマートに乗り換えたことがきっかけだった。ピントの合わせ方を教えてもらって、飼っていた犬を撮ってみたりしたが、この頃の私はまだまだ車やウルトラマンに興味があったガキだったので、これを積極的に使い込むようなことは無く、ずっと本棚に飾ってあった。
数年前にカメラに興味を持つようになって、あるとき思い立ち、既に形見となったニコンのカメラ達を実家に取りに行った。
ニコマートはモルトが劣化し、メンテナンスに出さないとまともに写真を撮れそうに無い状態だった。しかし、S2は、ファインダー内に若干のカビ、二重像の縦ずれがあるものの、動作や精度には全く問題が無かった。この写真がそれだ。
50年以上経っても壊れるようなところが無い、シンプル且つ堅牢なその構造に、当時の日本の工業製品の心意気を感じた。それにこの心意気は、今のニコンのデジ一を手にしても、同じものを感じる。世のおじさま方にニコン好きが多い理由がちょっとわかったような気がした。
以上は私がニコン好きである理由であって、以下の話の前置きでもある。
昨日、そんなニコンからミラーレスのデジタル一眼カメラ、「ニコン1」が発表された。
発表内容やそのスペックを見て、あくまで個人的な感想を。
実物を見る前から人様が一生懸命作ったものを否定するつもりは毛頭ござらんが、ミラーレスとして後発であることから、老舗のカメラ屋としての独自性を見たかった。しかし、AFシステム意外に見るべきところが無い。
「従来のミラーレス製品とは異なる、レンズ交換式アドバンスドカメラ」
とのことだが、苦しい言い訳にしか聞こえまへん。「異なる」ジャンルだとは誰も思わんでしょ。マイクロフォーサーズよりもさらに小さいセンサーだし、35mm判換算2.7倍って中途半端なこと。もっとセンサーが小さいペンタックスQの方がむしろ潔いし、Qの実物を見ればボディの小ささに対するモノとしての作りこみへの拘りは大いに感じる。やはりソニーなどと比べて独自のセンサーを製造出来るか出来ないかってことの違いが開発コンセプトさえも左右しているような気がする。カメラ女子がターゲットであったとしても、やはりスペック面では「老舗のカメラ屋」らしさを秘めているようなモノであってほしかったなあ。。。
ニコンデジタル一眼レフは好きなのになあなどと。。。
以上、あくまで個人的な感想です。